少し前から父に気になる変化が出ています。
軽いボケというかなんというか。
異変の始まり
抗がん剤治療6クールを終え、とりあえずホッとしていた私たち。
「とりあえず」と言うのは、治療が終わったというだけで癌が消えたかどうかの診断はまだ先だから。
それでも、私たちが在宅介護を決断した最初の目標が 通院で抗がん剤治療を終える ということだったので、まずはここが小さいながらも一つのゴールだったのです。
ただ少し気になったのは、治療が終わる事を一番の目標にしていた父なのに、治療が終わった事に対してさほど喜んでいないというか…
これは感じ方の違いかな?とも思ったのですが、もっとこう「もろ手を挙げて喜ぶ」という様子を想像していただけに、「あれ?」という気がしたのでした。
今思うとこれが最初の小さな小さな異変だったのかもしれません。
熱中症後
今年の暑い日が始まった頃、在宅介護にまだ慣れていない私たちと、これまで暑さに強かった父を過信していたのか、父に熱中症の症状が見られたことがありました。
その時の父はボーっとしていていつものような元気ややる気がない状態でした。
その後もそんな状態が続いたのですが、熱中症によるものだと思っていたのです。
それまでの父はやる気満々で、免疫力低下の心配がなくなったら通所でリハビリに行きたいと言っていたし、自分が飲む薬の管理や熱を測ったり血圧を測ったり、それらを用紙に記入する事もすべて言われる事無く自分からやっていました。
でも熱中症をきっかけに頭がぼんやりした状態は続き現在に至っています。
現在の父の様子
今の父の様子を挙げてみます。
・熱を測らなくなった ⇒ いつ測っても同じだからと言う理由
・血圧を測らなくなった
・寝ていることが多くなった
・やる気がなくなった
・食欲がなくなった
・薬の管理をしなくなった
・薬を飲んだかどうか忘れることが多くなった
・ついさっき帰った看護師さんが誰だったか思い出せなくなった
・看護師さんに便を出してもらったのか聞いてもわからないという
こうして書いていてもちょっと不安になってきたのでこれくらいにしておきますが…
とにかく、食欲が旺盛でやる気に満ちていた父のこれらの変化に戸惑うばかりです。
先日血液検査のために病院に行くことがあり、診察の際に先生に話したところ
87歳だもん、それは普通じゃない?
との事。
まぁ…確かにそうなのですが、これまでがしっかりしていた父だけに、家族からしたらその落差に驚かされるわけで…
この先どうなってしまうのか、不安ばかりの毎日です。
そんな中の唯一の光
せっかく治療が終わったのにこのままボケてしまうのか。
父の行動に一喜一憂している日々ですが、そんな中にも一筋の光がありました。
それは、自宅の庭を眺める事。
これは退院してから毎日やっていた事だったのですが、熱中症になった後から大事を取ってやめていたこと。
というか、それまで昼食後に父から
庭が見たいから廊下まで連れて行って
と言われ、そこでコーヒーを飲みながら30分ほど庭を眺めていたのでした。
私からすれば
毎日毎日、よく飽きないな…
と思っていたのですが、庭いじりや盆栽が趣味だったこともあり、眺めているだけでも幸せな気持ちになっていたのかもしれません。
庭を見る際、廊下に車椅子を置いてそこから眺めていたわけですが、気温が高くなり廊下が暑くなったこともあり、ここ一ヶ月近くはやめていたのですが、ここのところの父の無気力さに、カンフル剤的な役割として再開してみました。
するとこれが父にとって私たちが想像する以上に刺激になったようで、その後はウトウト昼寝をすることもなく、新聞を読んだりテレビを見たりと、その日は以前の父のように戻ったのでした。
とはいえこれも効力は短いですが…
考えてみれば、それまで行動力があってウォーキングを趣味にし、多くの家事をしてきた父が、突然寝たきりになってやる事もなくなればボケるのも当然かもしれません。
そこにこんな風に刺激を与えることは大切な事なのかもしれません。
ポイントは「父が好きだったこと」という点でしょうか。
以前父が好きだったこと、それが今は出来なくなってしまったけれど見せたり話したり、何でもいいからその人の刺激ポイントを押してあげる、それが重要なのかも。
いずれにせよ、元通り…とはいかずとも、以前のようにやる気が満ちた父に戻ってもらいたいものです。
そのためにも頑張ろう。
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