熱中症対策のルールを決める 在宅介護を不安なく過ごすための工夫

熱中症対策のルールを決める 在宅介護あれこれ

爽やかな風が家の中を通り過ぎていた時期はいつの間にか過ぎたようで、これまでは暑いなりにも湿度が低いことが救いでしたが、とうとう「高温多湿」状態になってきました。

そうなってくると気になるのが「高齢者の熱中症問題」。

これまでニュース等では見聞きしてはいたものの、きっとどこか他人事だったのでしょう。

在宅介護の父が熱中症になりかけた時の話です。

始まりは尿の量

その日まず気づいたのは、尿バッグに入っている尿の量。

いつもは介護ヘルパーさんや訪問看護師の方がその日来てまず尿を処理することから始まります。その量、在宅介護が始まった頃は2リットル弱。

それがだんだん2リットルを超えそうなほど溜まるようになったため、ヘルパーさんらが来る前に家族が処理していました。

それがその日、尿バッグを見るといつもの半分、1リットル程度の尿しかないのです。

fluffy
fluffy

あれ?誰か捨ててくれたの?

思わず聞いてしまうほど少ない量、でも誰が捨てたわけではなく、その日はその量しか出ていなかったのです。

熱を確認するといつも通りの平熱、顔色も良く、体調は?と聞くと特に問題なしとの事。

その日はちょうど訪問看護師さんの日だったため確認したところ、

訪問看護師さん
訪問看護師さん

暑かったから汗で出てしまったのでしょう

との事でした。良かった、この日が訪問看護師さんの日で。

幸い父は普段から水分をこまめに摂取しているので水分不足という心配はありませんでした。

看護師さんの言う通り、急に高温多湿になってきたから、寝たきりとは言え発汗量も増えたのでしょう。

しかし、今思えばどうしてその時にちらりとも熱中症の事を考えなかったのか…ということ。

いくつかの小さな変化に気づくべきだった

その後いつものような元気がなく、口数が少なかった父。

昼食は残さず食べたものの、いつものように食後のコーヒータイムもせずに

父

今日は昼寝するわ

と言ってベッドに入り、軽くいびきを立てて寝てしまいました。

その後も眠り続けていたため、私は夕方に実家を後にしました。

家に着いて用事を済ませ夕飯も食べ、リラックスタイムにふと、というかどうして今までその事に思い至らなかったか不思議なくらいですが、

fluffy
fluffy

もしかして父は熱中症だったのでは!?

と気づいたのでした。

父の変化は以下の通り。

・尿の量がいつもの半分以下
・訪問看護師さんが帰った後、お昼に起こすまで寝ていた
・いつも饒舌な父が口数が少なかった
・(あとで聞いたところによると)この日は血圧が低かった
・昼食後夕飯の時間近くになるまで寝続けていた

こうして書き出すと、客観的に起きたことが見られますね…

早く気づけばその時点で経口補水液を飲ませられたのに。

扇風機やクーラーが苦手

思い返せばその前日、かなり蒸し暑い日でした。

扇風機はついていたものの、そもそも扇風機の風が肌にあたるのすら嫌がる父。

以前からもクーラーなんて付けたがらない人でした。

在宅介護を始めるにあたり、買い揃えたものの中には新たにサーキュレーターが。

これにより風が直接肌にあたることなく部屋の中の空気を循環させて温度が上がらないようにしたつもりでした。

でも、サーキュレーターで何とかなるフェーズはすでに超えていたのかも。

それに気づかず、父の「全然暑くない」を鵜呑みにした結果、父の体に負担をかけてしまうことになったのでした。

信じるのは数字のみ、新たに加わった在宅介護ルール

幸い今回は最悪の結果とまではいかずに済みましたが、この先また同じようなことが起こる可能性は充分あります。

それを人為的なミスなく防ぐには?

考えた結果、以下のルールを決めました。

父の感覚的な意見を聞くのではなく、数字で判断するという事です。

理系が得意な方は「何をいまさらそんなことを?」と思うかもしれませんが、私などはつい父の気持ちを優先して物事を考えてしまう思考の癖があります。

でもこれは癖ですから矯正する事ができます。

父は手元に温度・湿度が表示されるデジタル時計を置いており、小まめにそれを見て

父

今日は暑いけど湿度は低いな

などと話すことがよくあります。これを「熱中症にならないためのルール」に組み込むのです。

室温28℃&湿度40~60%を目安にクーラーをつける

今のところこのルールで行こうと思います。

ちなみにこの温度設定は以下のサイトの情報を参考にしました。

熱中症の困りごとと解決法

熱中症、在宅介護の怖さを身をもって知る

父の気持ちや好みを優先したため、最悪の事態を招きかねない事になりました。

父を説得するにあたり、

せっかく辛い治療が順調に進んでいるのに、熱中症で命が奪われる様な事になったら私たちは悔やんでも悔やみきれないよ

という私たちの切なる気持ちが父の心を変えたようです。

とはいえ、「風が体に当たるのが嫌だ」「クーラーの冷たい空気が嫌だ」という父の気持ちは取り入れつつ、父にとって最適な「熱中症にならないための匙加減」を模索していこうと思っています。

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